feature2024年5月25、26日 標葉郷野馬追祭が開催!

千年の歴史をもつ神事「相馬野馬追」が、5月25日〜27日の3日間開催されます!
郷(ごう)の一つである標葉(しねは)郷の本陣がある浪江町では、5月25日~26日に「標葉郷野馬追祭」が行われます。

「相馬野馬追」は、旧相馬中村藩「五つの郷」の騎馬武者たちが、祭場地である南相馬市の「雲雀ヶ原(ひばりがはら)祭場地」へ集結することにより始まります。
「五つの郷」とは、相馬市の「宇多郷」、南相馬市鹿島区の「北郷」、南相馬市原町区の「中ノ郷」、南相馬市小高区の「小高郷」、そして浪江町・双葉町・大熊町からなる「標葉(しねは)郷」。

2011年3月11日に発生した東日本大震災の後も「相馬野馬追」は途切れず続けられ、2018年には震災から8年ぶりに、標葉郷の陣屋がある浪江町からの「出陣式」、そして浪江町内での「お行列」や「神旗争奪戦」が念願の復活を果たしました。
迫力ある騎馬武者たちの姿を間近で見ることができるのは「標葉郷野馬追祭」ならではの魅力です。
戦国絵巻さながらの勇壮な「お行列」や目の前で繰り広げられる「神旗争奪戦」などが行われ、遠方からもたくさんの人たちが集まります。

「相馬野馬追」は浜通りの真夏の祭典として例年7月末に開催されていましたが、2024年から5月に開催されます。

相馬野馬追が繋ぐふるさと 〜出陣者インタビュー〜

【野馬追】木村奈々美さん

木村奈々美さんは18歳ですが、今年で10度目の出陣という、経験豊富な標葉郷の騎馬武者です。幼いころに見た女性騎馬武者の姿に「かっこいい!」と一目ぼれし、小学4年生のころから出場するようになりました。
野馬追の見どころの一つに、お付きの者が武者言葉で伝令などを述べる「口上」があります。木村さんは今回、この大役を担います。
行列中には「先頭軍者〇〇殿、本陣雲雀ケ原に向けて進軍中!」と勇ましい声を響かせたり。「口上」によって、観客は目の前に本当に戦国武士がいるかのような臨場感を味わうことができます。
また、木村さんは雲雀ケ原祭場地(南相馬市原町区)、中央公園(浪江町)で26日にそれぞれ行われる神旗争奪戦にも出場します。

「来年が最後の出場になるので、今年と来年に、なんとしても武勲を立てたい。原発事故でみんなバラバラになっちゃったけど、年に1回、こうして仲間と集まれることがうれしい。野馬追がなかったら、仲間にも出会えなかった。」
原発事故により故郷・浪江町を離れ、相馬市で生活を送る木村さん。野馬追が故郷との大切なつながりになっていることがうかがえました。

女性の出場は20歳未満という決まりがあるため、木村さんは19歳となる来年、野馬追を引退します。ぜひ会場でその勇姿を目に焼き付けていただけたらと思います。

【野馬追】稲本陸斗くん

初陣の陸斗くん(右から2人目)と双子の兄・陽斗くん(左)。稲本さん提供)

今年初陣を飾る稲本陸斗くん(6歳)は小学校1年生で、標葉郷56人の騎馬武者の中では最年少です。父・稲本幸平さんの騎馬武者の姿を見たり、自宅で飼育する馬とふれあう中で『僕も出場したい!』と昨年家族に明かしたのだと、幸平さんが話してくれました。

『私の初陣は中学生の時。法螺貝を吹く螺役(かいやく)でした。「野馬追への情熱は伝染する」と先輩たちに言われた通り、気がつけば、私も長年騎馬として出場し、自分で馬を飼うまでになりました』『原発事故後、県外に避難していましたが、野馬追がなければ、(福島県に)帰ってこなかったかもしれない。標葉郷の一員として出陣するのが誇りでもあります。野馬追の担い手を継承していく必要がある中、息子が出陣してくれるのは嬉しく思っています』と幸平さん。稲本さん一家は、現在は南相馬市に馬小屋と乗馬の練習場を構え、3頭の愛馬と共に生活しています。
陸斗くんには、双子の兄・陽斗くんがいます。陽斗くんは今回出場しませんが、馬の世話が大好きで、自分から進んで馬小屋を掃除するなど野馬追一家をサポートしています。『陽斗と一緒に馬の世話をしながら練習もしているよ。本番が楽しみ。』と話す陸斗くん。人と馬が共に暮らす馬事文化を持つ相双地方。最年少騎馬武者・陸斗くんの勇姿と共に、地域の文化を感じていただけたらと思います。

相馬野馬追の見どころ

5月25日

出陣式式典・礼螺

5月26日

標葉郷騎馬(凱旋)行列

標葉郷神旗争奪戦

標葉郷野馬追のスケジュール

5月25日(土)

午前8時5分
騎馬口上(侍言葉による祝い口上)
場所:中央公園

午前8時15分
出陣式式典・礼螺
場所:中央公園

午前8時30分
出陣
場所:中央公園より町内一巡

5月26日(日)

午後4時〜午後4時45分
標葉郷騎馬(凱旋)行列
場所:町内一巡

午後4時15分
浪江町相馬流れ山踊り保存会 舞踊「相馬流れ山」
場所:中央公園

午後5時〜午後5時30分
標葉郷神旗争奪戦
場所:中央公園

標葉郷野馬追のお作法

  1. 馬にフラッシュを当てない
  2. 馬の前を横切らない
  3. 高いところから見下ろさない
  4. 馬の後ろに立たない
  5. 馬に手を出したり、大きな声で驚かせたりしない

標葉郷野馬追祭の詳細

場所:中央公園
住所:福島県双葉郡浪江町権現堂字北深町地内
駐車場:あり
臨時駐車場(浪江小学校跡地):150台

交通アクセス

車:常磐自動車道浪江ICから車で約15分
鉄道:JR常磐線浪江駅から徒歩約5分

お問い合わせ

標葉郷野馬追運営委員会(浪江町商工会内) 0240-35-3321
浪江町役場産業振興課
TEL:0240-34-0247
FAX:0240-34-2135

注意事項

  • 騎馬行列の間、交通規制が行われますので、ご協力お願いいたします。
  • 道路・私有地などへの駐車は厳禁です。車でお越しの方は、臨時駐車場をご利用ください。

※駐車場の位置は町ホームページをご覧ください。